「今日からこの子、この城に住むことになったから」




そう言って兄さんは、人魚に手を差し出す。




すると人魚は兄さんの手に、オズオズと自分の手を乗せた。




そんな二人の姿に凄いイラついたけどそんな事は微塵にも出さず、ニコリと笑顔を人魚に向けた。




「こんにちは。俺、アラン。宜しくなっ」




挨拶をしたのに、人魚からは一向に返事がない。