途中でともは、家の方向が違うからいっつも、わたしは同じ道のみうと帰って
ともは、やまねんと帰っていたんだけど、今日は2人だから
ともが、「さっきみたいに車きてんのに気付かなかったら危ない」って言って
家まで送ってもらった。

一緒に帰っただけなのに、なんでこんなにずっとドキドキしてるんだろう。

バタン
急いで部屋に帰って、溜め息をつく。

「なんなの?この気持ち」

ふと見た鏡に映るわたしは、顔が真っ赤でゆでだこみたいだった。


携帯を手にとり、みうにかける。

【留守番電話に接続します.....】

おかしいな、電話に出ない。
いつもなら、すぐに出るのになぁ。

このなにかもわからない気持ちに数時間悩んだころ、みうから電話が来た。

『どうしたの?』

「今日、私さ ともと帰ったでしょ?
でね、なんでかずーっとドキドキしてて....帰るまでドキドキがとまらなかったの。」

『......』

「みう?」

『ドキドキしたのは、気のせいじゃない?もしかしたら、熱があってドキドキしてるのかもよ?
顔赤くなってない?あとで、熱はかってみ』

「うん.....」

なんだか、いつもと違って素っ気ない返事。


『てかさ』

違う、いつものみうじゃない。

『なに、名前呼びしてんの。田中のこと』

怖い、今私が電話している相手は誰.....?

「あ、いや、あのね、?」

『やめてくんない?』

「な、なんで?」

『わたしさ、田中と付き合ってんの。
彼女でもないくせに、名前呼びなんてしないでよ。』

「あ、つ、付き合ってたの......?ごめん」

『いいよ、もう切るね。』


こんなに、怖いみうは見たことも聞いたこともなかった。

わたしに、ここまで素っ気ないのも.....


最後にぼそっと、



『ほんとに、まおって図々しいよね』

って、言ったことも。



はじめて、みうが怖いと思った時だった。

でも、それよりも胸がズキズキしたのはなんでだろうか


何に対してか、みうが素っ気なかったことか図々しいと言われたことか

でも、それが原因じゃないこともわかってる。


俯けば、部屋の絨毯にポタポタと涙が落ちた。

「うぅっ.....ふっ....」



・・・────────わたしは、



ともが、好きなの.........?

だから、涙が溢れて胸がズキズキするのかな?