「お前、今の状況がわかっているのか?」


 「?」


 「マットとティムが死んでいるんだぞ。エルウィンやカンナギ、フリードは姿をくらましている。この状況で笑っていられるなど、不謹慎すぎるにも程があるとは思わないのか」


もっともな意見。
筋が通っている。

彼の意見は正しい。


共に行動を起こしてきた者が死んでいると言うのにこの態度。



楽しそうにはしゃぐ今の彼の様子は、言動も行動も何もかも全てが不適切である。




「別にどうだって良いよ。彼等は只の駒でしかないのだから、誰が死のうが誰が消えようが関係無い。不要となれば切り捨てるつもりだったし、何れにせよ彼等は死ぬ運命だった。その日がほんの少しばかり早まっただけだよ」


オルガンの蓋を閉じたライアは伸びをしながら立ち上がる。


座っていた古びた椅子はギシリと軋み、静かになった教会の中不気味に響いた。