「2人はまだ戻っていないようですね」


レグルの治療が済んだ頃、声を上げたのはジーク。


辺りを見回していた彼は膝を折るシェイラに手を差し伸べる。




 「コウガさんとレオンさんですね。お2人共、無事だと良いのですが」


 「彼等なら心配ないだろう。きっと直ぐに戻ってくるさ」


ジークの手を借り立ち上がったシェイラは心配そうな面持ちで胸の前に両手を組む。


そんな彼女を安心させるように言うレグルは優しく微笑むと彼女の頭をそっと撫でた。


頭に添えられた大きな手にシェイラの頬は仄かなピンク色に染まる。


その様子を傍で見ていたジークは面白く無さそうにへの字に口を曲げ、シェイラに優しくするレグルに冷めたい視線を送るのだった。