変わり映えの無い青い空。
争いが繰り広げられた町中とは打って変わり、其処は長閑な時が流れていた。
無事宿へとたどり着いたレグル。
彼は入り口付近に座り込むクレアを発見し歩み寄る。
「おい、しっかりしろ」
「……」
全身血塗れで眠るように瞳を閉じる彼女。
確実に危険な状態であると判断し、肩に手を添え軽く揺すり頬を叩く。
すると彼女はゆっくりと瞳を開け、ぼやける視界をレグルへと向けるが、彼を瞳に映すと再び目を閉じた。
「おいクレア……」
重症の様子だが、微かに意識はあるようだ。
一旦部屋まで運びそれから処置をするのが適切だと、彼女を抱える為手を伸ばすが、何かに気づき振り返る。
「…酷い怪我ですね……直ぐに治癒します」
レグルの隣に膝を折り、クレアの様態を確認したのはシェイラ。
彼女は難しい顔をしながらも、両手をクレアへとかざし治癒の力を駆使する。