背後を取った彼女はその首を狙い刀を振るう。


しかし、その刃は彼の首に届く事なく動きを止めた。




 「っく……」


首に添えられた冷たい刃。

それは移動し喉元に突きつけられる。



振り向き際に振るった刀は彼女の首を斬る寸前で止まっていた。


彼女が刀を振るう前に突きつけられたその刃。


無言で鋭く睨まれ、彼女は仕方なく刀を手放した。



両手を挙げ、刀が地に転がったのを確認すると彼は突きつけた刃を喉から放す。




が、刃が放れた瞬間、彼女は刀を器用に蹴り上げその手にとった。


右手に握った刀を手首を使い素早く振り上げる。



この至近距離。
その刃は確実に彼の首を捕らえる筈だった。




 「なっ……かはっ……!?」


鳩尾を突かれ膝を折る彼女。


苦痛に顔を歪め見上げれば、彼は左手でその刃を掴み見下ろしていた。