刀を左手に持ち替え、右足を退くと切っ先をジークへと向けるカンナギ。


そしてリンと鈴の音を響かせ地を蹴った。


振り下ろされた刀を弾き、その場から離れると巻き起こる風から逃げるジーク。


それと同時に胴を狙い刀を横に振った。


しかし、身を捻った彼女は再び鞘でそれを防ぎ刀を突き出す。




 「っ……」


身を低くし何とか交わすが、肩に当たるか当たらないか紙一重の位置を刃は通過。

刀に触れてはいないが散る鮮血。


咄嗟に柄頭で彼女の鳩尾を突くと、刀を握り直し素早く斬り上げた。




 「うっ……」


彼女は身を反らすが腹部を斬られ、顔を歪めると一旦後退し距離をとる。




 「中々やりますね、貴方。しかし、刀で私には勝てませんよ」


 「私も、貴女に負ける気はしませんが」


腹部の傷を確認しながら自信ありげに言う彼女。


それに対し、何か策でもあるのか嫌味に笑うジーク。


その笑みに彼女は顔を歪めると、鞘を放り投げ刀を握り締めた。