意気揚々と現れ先程まで薙刀を振るっていた彼女達。
今まで其処に居た筈なのに、突然姿を消し、入れ替わりのように現れたこの女性。
ジークの反応にカンナギと名乗った彼女は小さく笑うと口を開く。
「あの2人なら、此処に居ますよ」
そう言い妖刀を撫でる彼女。
柄頭に飾られる鈴がリンと鳴る。
「これが2人の本来の姿。先程まで貴方が戦っていたのは、人型をした妖刀鈴狂なのです」
その形も長さも、全てが同一な二口の刀。
その刀と戦っていたなど信じがたい事実だが、他にも現実離れした事が起こっている以上、疑う理由などないだろう。
「私が2人に肉体を貸し、実体化を可能としているんです。お陰で私がこうして肉体を取り戻すのは久々の事。2人は中々私に肉体を返してくれませんから」
身体を捻り伸びをする。
ゆっくり首を回すと刀を構えたジークを深緑のその瞳に映す。
「問い質したい事が多々ありますが、今はそれ所ではないんです」
「ではお望み通り、速攻で終わらせましょう」
ジークは刀の柄を握り直し、カンナギは手にしていた刀を鞘から抜き取った。