目の前に現れたのは、長い黒髪を高く1つに結い、鈴のついた簪を飾る袴姿の1人の女性。

少し垂れた優しそうな目に泣き黒子、腰には呪符の巻かれた二口(フタフリ)の刀を刺し、それとは別にもう一口の刀を手に持つ。




 「…貴女、何者です……?」


突然姿を現した彼女を警戒しつつ問いかける。




 「始めまして。私は妖刀鈴狂(リンク)の護り巫女、カンナギ・ミコトと申します。以後、お見知り置きを」


名を名乗り終えると共に、少し抜いていた刀身を鞘に仕舞う彼女。


その瞬間、頬を走る鋭い痛み。

頬に手を伸ばせば切り傷があり血が滲んでいた。




 「…妖刀……護り巫女……」


幾つもの疑問を抱くジーク。


妖刀と言うのは、彼女が腰に刺すあの二口の刀の事だろう。


呪符に封じられているようだが、夥しい妖気を身に纏っている。


その二口の刀の護り巫女であると言う彼女。


多分、彼女の言う事は本当なのだろうが、その前に、あの2人の少女は何処に行った?