「カナ姉!!くっ……貴様ー!!」


ナギは柄を握ると薙刀を振るう。


それを難なく交わしたジークは素早く刀を突き出す。


身を捻ったナギはそれを交わすが、完全には避けきれず腹部を掠る。




 「っ……糞っ……」


彼女は薙刀を力の限り振り下ろすと彼から離れ、カンナの元へと移動した。




 「カナ姉……」


 「…ごめん…ナギちゃん……」


ナギは赤く染まった横腹を押さえ、荒い息をするカンナの隣に膝を折る。


カンナの傷に顔を歪めたナギは歩み寄ってくるジークを睨むと薙刀を投げつけた。




 「…カナ姉、少し、休もう……」


ナギはちいさく呟くとカンナを抱き締め、柔らかく微笑むと彼女と唇を合わせた。



ジークは飛んできた薙刀を払いのける。


すると、突如吹き荒れた突風。


顔の前に腕をかざし目を細めそれに耐える。




風が止んだかと思うと、リンと響く鈴の音。


腕を除け前方を見やれば、其処に居たのは2人の少女ではなく、1人の女性が立っていた。