一気に距離を縮め刀を振り下ろすジーク。
その刃を薙刀の柄でカンナは受け止め、ナギはジークの背後に回り込む。
素早く薙刀を振り下ろすが、既に彼の姿は其処には無く、刃はカンナに当たりそうになる。
「くっ……」
ナギは咄嗟に刃の軌道を反らし、カンナに怪我を負わせるのを防ぐとバランスを崩してしまう。
そんな彼女の背後にジークは姿を現し、何の迷いも無く刀を振り下ろす。
が、その刃は2人の間に割って入ったカンナによって弾かれた。
カンナは攻撃を防ぐと彼の空いた懐を狙い薙刀を突き出す。
完璧に当たる攻撃とは言えないが、確実に傷を負わせる事ができる。
その筈だった。
しかし…
「…え……?…ぐはっ……!」
感じない手応え。
軽くなった薙刀。
宙を舞う厚い刃。
地に突き刺さった刃を見つめた後、刃の無い薙刀に目を移す。
驚きの声をあげ、目を見開いたカンナの身体に走る激痛。
何時の間にか身体を斬られた彼女はジークに突き飛ばされ、大木に身をぶつけ血を吐いた。