「っと……」


空中で器用に身を捻り悠々と着地するが痛む足に顔を歪める。




 「お前、彼奴に身体をいじられたのか?それで、俺達一族の血を……っと……」


苛立ちを露わにする彼女の拳が顔のすぐ横を通過。


攻撃を交わす彼は彼女の襟を掴むと容易に投げ飛ばす。




 「ぐっ……っ……」


木の幹に背をぶつけた彼女は悔しそうに幹を拳で叩くと彼を睨む。




 「…何故だ?その力を得る為に、自ら望んで実験体になったと言うのか?何故、お前はその身体を売るような行為を――」


 「黙れ!!」


 「っ……」


 「…煩い…黙れ……何も知らない癖に…何もわからない癖に……知ったような口を聞くな!!」


声を荒げ地を蹴った。

怒りに任せ拳は振るわれる。


素早く繰り出される拳を払いのけ、次いで繰り出された回し蹴りも身を反らしながら難なく交わす。



彼女は片手を地につけ身を低くすると、その体勢から蹴りを繰り出し彼の足を払う。




 「ってぇ……」


バランスを崩し尻餅をつく彼の上に乗ると、力強く握り締めた拳を振り下ろした。