3人の中で、それをはいているのはひとりしかいないのだから。


昨日に続いて二度目の理恵の死体……生き残れば、それだけ多くの死体を見る可能性が高くなるという事。


胃から逆流しそうになる熱いモノを、なんとか堪えて、廊下の先を見た私が見たものは……。


理恵のモノではない、スカートをはいた状態で床に落ちている下半身。
遥のカラダの一部と思われるモノが、そこにはあったのだ。


その遥のモノと思われる下半身。


太股と、へその辺りできれいに切断されたそれに、引き寄せられるように……。


理恵の残骸の中を歩き、そのカラダの前に立った。


その場にかがみ、そっと手を当てて見ると、少し温かい。


それに、切断されているのに臓器も血も、まるで固定されているかのように、切断面からは飛び出してこない。


でも、カラダは柔らかくて不思議な気持ちになる。


これが遥のカラダだと確信した私は、それを抱え上げた。


人の身体って、こんなに重いんだ。


率直な感想はそれだった。


ここに来て良かった。


もしも、私がここに来る事を選ばなければ、カラダは放置されたままになっていたはず。


そして、それは確実に争いの原因になる。


私は、遥のカラダを持って、玄関前のホールへと向かった。