「あ、明日香……この後どうするの?」


どうすると言われても、逃げるしか選択肢はない。


会議室とはいえ、教室の半分くらいの広さしかないこの部屋で、できる事なんて限られてる。


部屋の真ん中に置かれている、横長の机を回って入り口から出るしかない。


「留美子! こっち!」


そう言って私は留美子の手を取り、「赤い人」とは机を挟んで、反対側にあるスペースを通って入り口へと走った。


しかし、「赤い人」が机に飛び乗り、私達の逃走の邪魔をしたのだ。


これじゃあ、「昨日」と同じじゃない!


いや、今日は留美子がいる……だったら、「赤い人」が机から降りる前に!


「机を倒して!」


私は叫んだ。


そして、留美子と一緒に「赤い人」が乗った机をひっくり返す。


バランスを崩した「赤い人」が、机と一緒に床に倒れたのを見て、私達は会議室から逃げ出した。


その会議室から……。











「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」