たとえ、カラダを見つけられなくても、調べ終わった部屋の数を増やせば、その後が楽になるのに。


「翔太が約束通りにやってんだ。俺も言った事は実行する」


こんな状況なのに、どうしてそんなに意地を張るのか……私にはわからなかった。


「そんなのに付き合ってられないっての! 私はこっち側を調べるから! 行きたいやつだけ行けば!?」


そう言って、留美子は事務室の方に歩いていった。


どうして……こんな時まで皆バラバラなんだろう。


協力して、カラダを探さないといけないんじゃないの?


「明日香、お前はどうするんだ?」


そう言われても……私は、留美子をひとりにしておく事なんてできなかった。






高広達と別れた後、私は留美子とふたりで事務室の中を調べる事にした。


私が来て、留美子も内心ホッとしたのだろう。


さっきまでの刺々しさはなく、ずっと私に話しかけていた。


「……でさ、なんで私達がそんな危険な真似しなきゃいけないわけ? 理恵もさ、あいつらに付き合わなくても良かったのにさ」


さっきの作戦が、よほど気に入らなかったのか、同じ事を何度も繰り返している。


「理恵は……翔太にひどい事をしたって思ってるんだよ。だから、その罪悪感があったんじゃないかな?」