「やっと俺のになった」

 
感慨深く綾の顔を見る。


「もう絶対に離さないから」


綾は恭司の胸の中で何度も頷いていた。




翌朝、恭司が目覚めると部屋の中に綾の姿がなかった。

慌てて体を起こし、辺りを見回すが見当たらない。

何処に行ってしまったのだろう。

いやそもそも、昨晩のことは夢なのか。

恭司が深い溜め息を吐いた時、玄関が開いた。

そこには新聞を持って入ってきた綾がいた。