「俺、ありのままの榊さんが良いって言ったけどさ――― 榊さん、笑ってなよ! 笑ったほうが可愛いから! 絶対、可愛いから!」 そう言って、青空みたいな瞳を細めて、白い八重歯を見せながら笑うと――― 榎本は、扉の向こうへと消えていった。