………え?
あまりに突然のことに、私は返事をするのも忘れて突っ立っていた。
もうここには…来なくていい?
なんで…?
「蒼太は…私だけが覚えておけばいい」
相変わらず蒼太のお墓を撫でながら微笑む茜さん。
なんで…
なんでそんなこと言うの…?
「…嫌、です」
私は絶対に蒼太の存在を忘れたりしない。
忘れちゃいけない。
だって、あの人と過ごした時間は、私にとってかけがえのないものだから。
「…言うと思ったわ
でもね、奈央ちゃんには私、前に進んでほしいの」
ドキリ、とした。
きっと茜さんには、私の今の状態が…バレてる。
蒼太がいなくなって、遊び回ってるあたしのことが。