「久しぶりね、奈央ちゃん。元気だった?」
「…はい」
そう言う茜さんが、別人に見えてしまって…
私は目を伏せた。
「…良かったわね、蒼太。奈央ちゃんが会いに来てくれたわよ」
微笑みを浮かべて蒼太のお墓を撫でる茜さん。
…やっぱり茜さん、別人みたいだよ…
前まではこんなに、悲しそうに笑う人じゃなかった。
前だって、微笑んだりするような人じゃなかったけど。
もっと、とげとげしてた。
――今の私みたいに。
なのに、今私の目の前にいる茜さんは――
「ねえ、奈央ちゃん」
「あ…はい」
「もうここには、来なくていいから」