今日デートの予定だった男に謝罪メールを送って、私は歩き出した。

シロがそんな私の隣に並ぶ。


こうしてると…二年前の学校帰りを思い出す。

高校が終わったら、こうやって蒼太と二人で帰り道を歩いた。


晴れの日も。
雨の日も。



「ナオ、あそこ?」


シロに言われ、ハッとして周りを見る。

少し先に、墓地が見えた。


「…うん」


やっぱり、シロの言った通りなのかもしれない。

…怖い。

行きたくない。



「…ナオ?どうしたの?」

「…なんでもないわ」


でも今さら、戻れない。