「ほんとは、怖いんでしょ?」


何がしたいのよ…

舌打ちをしながら地面に落ちたバッグを持ち上げて、シロを睨んだ。


でもやっぱり、何の悪意も感じられなくて。

蒼太と…重なって。


目線を落とした。


「ソウタの死を自分の目でみるのが」


――怖い?

私が?


そんなこと、考えたことない。


なのになぜか、シロに言われたとたん、顔が赤くなった。


…的を射てたから?



「…なーんちゃって!

僕がただたんにソウタに会ってみたいだけ!

だからさ、連れてってよ

ソウタのとこ」


シロが笑顔で言った。

それになんとなく救われた気がして――


「……わかった」


気づいたら、頷いていた。