「ねえ、シロ…」

「ん?」



「なんでシロは、私の名前を知ってたの…?」




油蝉が鳴いている。



シロは、微笑んだまま。



口を開いた。







「僕と君は、会ったことがあるから」







「…え?」







私の呟きは、油蝉の声にかき消された。