「…ごめん」
蒼太は、死んだ。
一番わかってないのは。
その現実から逃げてるのは。
…私だ。
「もう暗いし…家どこ?送ってくよ」
路地裏から出て、二人並んで歩き出した。
雨でネオンがぼやけてみえる。
涙かもしれないけれど。
「ダメじゃん、こんな時間まで女の子が外いたら」
おもむろに、彼が口を開いた。
声も…蒼太そっくりだ。
言う言葉も…
「…うん」
なんで彼はこんなに蒼太に似ているんだろう。
世の中には自分とそっくり同じの人間が三人はいるって聞くけど…
ここまで似るものなの?
「これからは気ぃつけるんだぞ?」
彼はにっこり笑って私を見た。
えくぼ
八重歯
…蒼太と、同じ。