なにも…知らなかった。


唇に優也の温かさを感じながら、涙を流す。


私…優也のこと、なにもわかってなんていなかった。


何年幼なじみやってるの?

どれくらい一緒にいたの?


なのに、私は……




「優也…ごめん、ごめんね…」


唇が離れた瞬間、そう口にした。


私なんかが悲しむ資格ない。

私なんかが泣く資格ない。


優也のほうが…よっぽど……


「優也…つらかったよね…ごめん…ごめん……

私…最低だ……」


泣いちゃダメだ。

わかってるのに…

涙は止まらない。