「…優也の部屋、久しぶりに入ったなあ…」
「10年ぶりぐらいか?」
「そんなに?!…なんか、狭くなったね」
「お前がでかくなっただけだろ」
他愛もない会話をしながら優也の部屋のベッドに腰かける。
…本題、入らなくちゃ。
そうは思っていてもなかなか口には出せなくて、私はまた部屋を見回した。
「俺、飲み物入れてくるわ」
「あ、ありがと」
優也が部屋を出た途端、私は立ち上がった。
…いや、ほんとに懐かしい…
「昔はここでよくゲームしたなぁー」
でも、今この部屋にゲームなんて見当たらない。
…アイツ、受験だもんな…
机の上に山積みにされた参考書達を見て、小さくため息をついた。