そう思って、大きく息を吸い込んだ時だった。 「あっれぇ~?奈央ちゃん、そんな態度取っていいのかなぁ?」 ショウタの笑いを含んだ声。 ――――その手には、ナイフが握られていた。 「変なマネしたら…わかってるよね?」 ショウタの声は、本気で。 どうしようもなくて、私は小さくうなずいた。 「えらいえらい。俺らもさ、奈央ちゃんを傷つけたくはないわけよ、うん」 じゃあ…なんで… 「なんで…こんなことするんですか……!」