「久しぶり、奈央ちゃん」
ニタニタと意地の悪い笑みを浮かべる先輩。
背筋がゾクッとして、拳を握りしめた。
「いやーショウタと俺、友達でさあ?
今朝すげぇ怒ってたから、なんでか聞いたら…
まさか、奈央ちゃんの名前が出てくるとはな?」
すぐ隣まで来て、私の肩に手を置く先輩。
その手を払いのけて、睨んだ。
「やめてください!」
私のそんな様子に、ショウタが口笛を吹いた。
相変わらずニヤニヤと笑っている先輩。
…危なくなったら、大声出してやる。
上手くすれば、お母さんや優也が気づいてくれるかもしれない。