「お?
シン好きな人いんのー?
だれだぁー?」

「げ、西野じゃん。
コソッ ごめん、シン。」


サッチーは少し申し訳なさそうに私に耳打ちしてきた。

前々から、好きな人いることはバレてたみたいだしね…
無料通話メールアプリで毎晩聞かれてるし。


「サッチー、基礎練ちょっと見て〜」

「ちょっとだけよー。」

「何それ。」

「ちょっと、シカトですか?」


逃げるように私とサッチーは、音楽室に戻った。


「告白しないの?」

「うーん、ちょいちょいそれらしいことはしてるんだけどねぇ。」

「まじ?
で?」

「うーん…
流された、かな?」


そう、あれは二年の秋のこと、かな。

今思い出しても少し胸が痛む…