進路調査の件だろう。
そんなことはすぐに察しがついた。
というより、覚悟していた。

なんてったって…


「3年6組の新です。」

「おぉ、新。
早い…ということは、大方内容は予想がついてるな?」

「はい、失礼します。」


担任二年目の、若い見た目にしてはしっかりしている高村先生。

一部の生徒には人気があるみたいだけど…


「なぁ、新?
進路調査白紙で提出とはどういうことだ?
学年でお前だけだったぞ。」

「…はい。」


やっぱり。
そう思って私は薄汚れたタイルの床を見た。