言った

言ってしまった

重い空気が流れるのが分かる

「叶斗、それってどう言う意味」

すぐに謝らないと

貢が本気で怒ってる
今ならまだ許してくれる

何とか言葉を探さないと

「だ、だって貢、僕が居るのに最近中嶋君の事ばっかり構うから、寂しいんだ」

語尾が震えたのが自分でも分かった

でもそんな事に全く気が付かない貢は、嬉しさと愛しさに満ち溢れている微笑みを浮かべた

「叶斗…なんだ、そんな事なら早く言ってくれれば良かったのに。別れるなんて言うから俺より柳の事好きになったのかと思った」

「はは…やだな、僕ってそんなに軽そうに見えるの?」

「ごめんって叶斗。でも良かった。本気で柳(コイツ)の事殺す所だった」


その言葉を聞いてゾクリとした

何故だろう
今までなら満足していたこの貢の独占欲

それがまた恐怖に変わり始める



僕が求めていたのは

こんな刺激だったのだろうか



狂い始めた歯車はもう止まらない
止まり方を忘れたように回り続け、
加速し続ける