平然とした口調で電話に応じる

聞こえて来るのは焦りを隠せない様子の貢の声

『叶斗がっ…叶斗が又襲われたみたいなんだ!!』

「…」

ふーん…
襲われた、ねぇ

『それで、お前叶斗見なかったか?!』

「さぁ…」

見たどころか、行為までしてたよ

「俺は見てないけど」

ついさっきまでな


『…そうか…。あ?叶斗…?叶斗!!』

あれ、もう見つけたのか

通話の切れた携帯を耳から離し、画面に表示された時刻を確認する

7分、か…


流石と言うべきか
叶斗が予想していた10分よりも早くに見つけるとは

つくづく貢を恐ろしく感じる

いや
1番恐ろしいのは俺、か


携帯をポケットにしまい、大きく伸びをする

「んー…授業に戻るか」

誰も歩いていない廊下を軽快な足取りで歩いていく


うん

今日も良い天気だ