「あはっ、ほんと可愛い叶斗。僕が悪いのって顔してる」

僕の頬を優しくなぞる
その手は顔全体を包み込む



「そうだよ、叶斗が悪いんだ」


聞こえてきた言葉は確かに僕を責めるもので

その声は少しばかり怒りがこもっていて


「そん…な…僕は何も…」

「何もしてない?叶斗はほんとにそう思ってるの?」

思ってる
そう思ってるに決まってる
だって僕は本当に何もーーー…


「俺をこんなにも夢中にさせる叶斗が悪いんじゃないか」



あぁ、この世はなんて理不尽なんだ