「何やってんだろ…あれには大切な`あのこと'が書いてあるのに………」


絋佳はブツブツと独り言を言いながらさっきいた店から歩いて約15分の学校までの道のりをかなり急いでいた。


夢中で走っている絋佳の肩に何かがぶつかった。

「いてーな…」


ビックリした絋佳が顔を上げると同じ制服を来た男の子たちの集団の1人とぶつかったようだ。



「ごめんなさい」


絋佳の顔がよほど切羽詰まっていたのか、男の子は「気をつけろよ」と言っただけでそれ以上の事はなかった。