中には美乃梨ちゃんと見慣れぬ悠斗と呼ばれる男子生徒が揉めている。



小柄な美乃梨ちゃんを包んでしまいそうな長身で肩幅の広い悠斗は、震えた声で自分の気持ちを訴えていた。



「もういいよ。俺を1人にしてくれよ!」



「でも……」



悠斗に西日が当たり、顔は見えないが何か光っているものは見えた。


その様子をみて絋佳は息を飲んだ。



『彼、泣いてる?』



遠くてはっきりしないがそう見えたのだ。