「ダレ?」 小さな声で聞いてみたけど答えはなく、絋佳は音のするほうになんとなくにじり寄っていった。 場所は保健室…… 美乃梨ちゃんの部屋だ。 中から声が聞こえる。 「先生は俺の事をもてあそんだのかよ!」 若い男の声が響く。 「そ、そんなことないわ。悠斗(ユウト)くんのことこんなにも応援してるのに……」 若い女の声が叫びになる。 いけないと思いながらも絋佳はドアをそっと開けた。