ようやく学校に着き、自分の机から手帳を取り出すと気持ちは落ち着いた。


「よかった…無事だった」



鞄の中に手帳を入れて、少し陽が傾きかけた校舎を歩き出した。



誰もいなくなった校舎はガランとしていて、更に西日が妖艶な雰囲気を醸し出している。



絋佳は怖いものみたさも手伝い、滋が待っていることも忘れて散策をすることにした。



物音ひとつしない廊下はやはり不気味な感じがする。



何かないかと周りを見渡したその時、ガタンと音が響いた。