獣医シェフレアの朝は、小鳥のさえずりから始まる。



診療所の二階にある寝室の窓辺に集まる小鳥達の声は、実に美しく気持ちがいい
・・・・・はずが。

生き物達の意思がわかるシェフレアには、睡眠妨害としか思えない。

《チチッチチチ(早く起きろ)》
《ピピピッ(遊ぼう)》

カタン
「朝から元気がいいですね。」

ベッドから起き上がったシェフレアは、窓を開けながらあきれた声を出す。

「こっちは、明け方近くまでmoonの治療をしていて寝不足だというのに。」

《チチッ(moon?)》
《ピピ(誰だそれ?)》