「 ...あ、ついちゃった 」
そんな調子で歩いていく内にいつの間にか自分の家の直ぐ側まで来ていた。
「 えっと、ここまでで大丈夫、ありがと! 」
名残惜しい気持ちを隠して結城に笑顔を向ける。
「 嗚呼、...今日は楽しかった。 」
私に笑い掛けながらそう言う結城。
「っ..、ま、また明日学校でね..,!」
鼓動が早く胸を打つのを止める事などできず、慌てて家へと向かう。
「 あ、七瀬、忘れ物 」
そんな私に不意に結城から声が掛かる。
「 ...? あれ、何か忘れた? 」
鼓動の早さを顔に出さない様にしながら結城の近くへと戻る。