_柚希side
旅行!旅館!楽しみ!
すっかり上機嫌の私は生徒会室に向かう。
晃さんの事も、だいぶ吹っ切れてきたし!
「しっつれいしまー…うわ…」
元気よく扉を開けるも、生徒会室にただ一人いた視界に入る人物を見て思わずそんな声をあげる。
「なにその反応凄い傷つくんだけど」
「なんであんたがいんのよ…」
「いや生徒会長だし俺!
はあ、'恋人'にその言い草はないでしょ…」
「ほとんど偽物みたいなもんでしょうが!」
わざと'恋人'を強調する生徒会長に声を荒げる。
「こらこら、女の子がそんなツッコミしないの。」
「誰のせいだと思ってる!てかツッコミじゃない、事実!」
殴ってやろうかこいつ…
拳をギリィ…と握りしめるも、これからの楽しみを思い浮かべて耐える。
「まあいいです…今回は許します。」
「おや優しい。何かあったの?」
生徒会長のその言葉を聞けば、「よくぞ聞いてくれた!」と叫び出したい衝動をおさえ、
「旅行行くんです、クラスで!」
と渾身のドヤ顔を向けた。