高也のご機嫌斜めは
しばらく続いて
なんか 苛苛してるあたし
それと 不安になるあたし

高也...




その日は 眠れなかった
人って心配事や悩み事あると
寝れないのは 本当なんだね
いつもの 睡魔が
今日は突き放されたように
あたしのそばに来なかった

高也の存在に邪魔されてんのかな


睡魔も 忙しいのね
それにしても 寝れない

高也からの連絡もない
喧嘩したその日に 連絡がないのは
当たり前だけど 1日連絡がないだけで
こんなに不安になるとか




人間って よくできてる










4時頃 ようやく寝つけて
気が付けば am.9時




今日は 佳莉菜との約束

ショッピングモールでの買い物を楽しんだ
佳莉菜は 部活仲間で 遊んだりするのも
しばしばあって 仲もそれだけよかった

佳莉菜との 会話は楽しい
でも なぜか笑顔が無駄に多いあたし
不安をこじらせてるせいか
作り笑いを浮かべてるあたしは
佳莉菜に 勘を感じさせてた
気づかないうちに。



『おなかすいたね』

「思った、何か食べる?」

『なーにたべよっかなぁ』

「優希、」

『ん?』

「... ねぇ! アイスたべようよ」



え?





『あ、季節外れのアイス
意外にいけるよね(笑)』


「うちは、どれにしようかな〜」


さっきの しんとした感じ何だったの?
...気のせいかな?

ふたりしてとった バニラアイス
冷たいのに 微妙に溶けてるこの感覚
これから先のあたしを意味してたのかな


「つめた(笑)」

『溶けてんじゃん』

「でも おいしいや(笑)」

『あたしが選んだからだよw』

「え?何言ってんの?(笑)」

会話が弾む
面白くて 楽しい
はずなのに、何か引っかかる




気にしすぎかな
忘れよう



そろそろ 日も落ちてきて
帰ることにした
またね
手を振って 帰る際に浮かべる
佳莉菜の笑顔
いつもと違うような気がした






ひとりゆく 帰り道
高也からの着信が

》もしもし

《どうしたの

》昨日さ ごめん

《え あぁ、いいよ あたしもごめん

》どこいんの?

《3丁目

》1丁目に来い


高也の声
優しいようで 冷たさを覚えさせる
だけど この声は
一番 安心させてくれる音




不安な一方にたどり着いた1丁目
高也に 着いたと連絡したら
マンションから降りてくる高也の姿
高鳴る鼓動が 耳に響く
高也に 聞こえてませんように

「おう」

『高也、あの 昨日は ごめん』

高也は そっと手を伸ばして
胸の中にいさせてくれた

「ごめん」

外は寒いはずなのに
このときだけは
全然寒さを感じなかった
高也の 腕のなかは
寒さなんて 忘れるほど
暖かいぬくもりがあったから