2時頃 無事帰宅


といっても 途中で
部活帰りの子に会うとか
高也も そこそこ送ってくれたけど
関係がバレると危ういから
ほんのすこしだけ
送ってもらった

それとひとつ
高也から 陸(りく)を紹介してもらった
高也からは また家出して
居場所なくなったとき
俺に連絡つかなかったら
陸に 頼れって

高也なりの優しさだったんだと思う


陸とは ちょこちょこ
連絡とったりで 高也とは
違う明るさや おもしろさ
それに とても優しい
でも 高也にあるぬくもりは
陸には なかった




あるとき 陸から電話があって
高也が会いたいって言ってると
なんで 高也から電話なかったんだろうと
疑問にも思ったけど そんなの気にせず
とりあえず会いに行った

迎えていたのは 陸だけで
高也の姿はどこにもない


『陸、高也は?』

「あぁ、高也 帰ったよ」

『なんで?』

「他の女んとこ」


呼び出しといて 何なの
何か 嫉妬してる自分がいて
陸はそれを見て笑っていた

『何 笑ってんの』

「優希 嫉妬してんの?(笑)」

『してませーん』

「強がんなってー」

陸には 全て お見通しのようで
隠すにも 隠せない
表情でばれてしまう

陸といると 自分の気持ちが
全部ばれてしまいそうで
気が狂いそうになる

「優希 ご飯食べてく?」

そういえば 陸の両親は
忙しく 家にもほとんど
帰れない日が多いらしい

陸はいつも ひとりで
ご飯食べてんのかな。

ちょっと 悲しい
それに 切ない

ひとりでごはんも大人って感じで
ゆっくりできるけど やっぱり
さみしいっていうのは あたしでもわかる


『ねぇ、ごはん あたしが作ってあげる』

「焦がさないでよね(笑)」

本当 人が優しくしてんのにうざ(笑)

陸に作ったのは オムライス
その日だけは 見た目もよく作れた
なかなかの出来栄え

「おー うまいね! 意外にだけど」

こうゆうのを 一言多いって言うんだよね

でも おいしそうに食べてて
嬉しかった これでさみしさも
少しは やわらいだかな、

「ごちそうさまでした」

『洗い物しとくよ』

「いいよ 作ってくれんだし
洗い物くらいできますー」

『はいはい(笑)』

「優希、どうする?」

『あー 泊まるかって?』

「帰んの面倒やろ」

『うーん、まぁ...』

「泊まってけば」

帰るの面倒だし
お言葉に甘えようかな
コクりと頷き くつろがせてもらった