笑い声が聞こえる。

泣いてる声も聞こえる。

でも そのなかで誰かに包まれてるような
また あのあたたかいぬくもりを感じた。




ガタンっ


痛っ!


手が 壁にぶつかった
寝返りを打とうとし
気づけば 朝で

あーあたし寝ちゃった。


おなかもすいたなって
思って 起きようとしたら...


え?





なにこれ?





は?え?






横には 下着。
しかもこの下着は確か
あたしが昨日 高也に借りた...

てことは...
胸に手を当てた
何も付けてない。
でも 部屋着は着てる
あれ?

訳が分からなくなるあたし。



肌柔らかいものに当たった



下だけ 着ている高也が隣にいる。




え、待って


何もかもが分からなくなる




とりあえず 高也を起こそうとしたけど
こんな姿 だって 大概 何が起こったのか
中学生なら 知識のひとつは常識。
余計 起こしづらいし...

「んー あ、おはよ、」

『お、おはよう。あの.さ、
なんで こんな姿なの あたしら。」

もう 女を捨てて 聞いてみた

そしたら 高也は笑い出して
大笑いであたしに

「あー あはは(笑)
優希って 結構 欲張りなんだね」

すごい大笑いして あたしにそう答えた


『ちょ、待って うそ... あたし、』

「大丈夫
最後までしてないよ
てか 覚えてないの?」

『してないよって
覚えてないよ 何したの?』

すごい不安なんだけど。
だって まさかのパターンでしょこれ


「優希 昨日 俺が風呂からあがったとき
ソファーで 寝てたから
んなとこで 寝たら 風邪引くし
とりあえず 起こしたわけ
そしたら 優希がいきなり泣き出して...
焦ったよ いきなり 泣くから どうしたの?って
聞いても 何も喋んないで泣くし」

『泣いたっけ...』

「うん、でも すごい辛そうだったよ
俺も 何していいのか分かんなかったから」

『それで... 脱がせたの...』

「違うって!(笑)
あんまり泣くから ちょっと...」

と 高也は ジェスチャーで
“抱きしめた”と いった

『それで?』

「そしたら だいぶ泣き止んで
優希 赤毛だったし手染めてんだなと
思って 酒飲めると思ったんだよ
やなことあったら 酒呑みゃ忘れるって
よく言うからさ、酒ついであげた」

『あ、うん』

「酔った」

『なるほど。 え?』

「甘えてくる女に弱いんだよね」

『あー、ごめん 泣いちゃったりして』

「それは 全然 いいんだけどさ 俺もごめん」

『なんで 謝んの』

「俺も 久々に女とふたりで呑んだから
理性飛んだっぽくて 脱がせた」

『でも さっき
最後まではって ...』

「上だけだから」

ちょっと 怖くなった。
いきなりで そんな
触られたんだって思うと
気まずくて 息苦しい感じもした
少し 黙り込んでいたら
高也が

「ごめん」

そう言って あたしに みるくパンをくれた

『いいよ、高也...』

「ん?」

『ううん、全然気にしてない(笑)』

いいよ、高也だからって
言いそうになったけど
恥ずかしい 言えるわけない
気にしてるし 普通に
下を向いて パンを頬張っていたら
高也は 笑ってた


あの時に 触れられた感じ
そして ぬくもり
全て 昨日のことを意味してたのか
理解に悩んだけど
気持ち悪いとか 汚さとか
全然 感じなくて
高也との時間だけは
なんとなく 好きだった

あなたに惹かれてく
あたしの何かが変わってく。