加奈子はエアコンが効いている自分の部屋に剛史を引き入れた。


「さあ、話して。どうして嶋田君の名前が出て来たのかを」

「それはこっちも聞きたいところなんだよなあ……」


剛史は少し怒ったような口調でそう言うと、加奈子のベッドにドスンと座った。


「それはどういう意味?」


加奈子は立ったまま、剛史を見下ろす形でそう言った。


「え? その何とかという部長もかなりいい男かもしれないけどさ、姉貴は大輔のどこが気に入らないんだろうと思ってさ」

「はあ? 何を言ってるのか分からないわ。私がいつ嶋田君を気に入らないって言ったのよ?」

「だってさ、姉貴は大輔を振って何とかって部長の方を選んだんだろ?」

「“振る”ってどういう事よ? ますます意味分からないんだけど?」

「ん? もしかして姉貴、大輔から告られてねえのか?」

「えっ……!?」


剛史は驚いた様子でそう言ったが、加奈子はもっと驚いた。