「はい。あ、その前に……おめでとうございます」
予想もしなかった美由紀の言葉に、加奈子は思わず「はあ? 何の事?」と聞き返した。美由紀から“おめでとう”なんて言われる所以に、思い当たる事は何もなかったから。
「部長さんから聞きましたよ?」
「部長って……香川さんから?」
「はい」
ようやく加奈子は気付いた。美由紀が自分と香川の事を言っているのだと。やはり志穂が言った通り、花火大会の時に香川が自分に告白する事を美由紀は事前に知っていたに違いない。しかも“おめでとう”と言うって事は、その結果も香川から聞いた事になる。
「いつ?」
「花火の帰りです。実は私、あの日部長さんが加奈子さんに告白する事を知ってたんです。部長さん、とても喜んでましたよ? 本当におめでとうございます」
美由紀は満面の笑顔でそう言った。あの日の“ワナ”を仕組んだ張本人から、いとも簡単に真相を聞かされ、しかも全く悪びれた様子もなく、加奈子は唖然としてしまった。
予想もしなかった美由紀の言葉に、加奈子は思わず「はあ? 何の事?」と聞き返した。美由紀から“おめでとう”なんて言われる所以に、思い当たる事は何もなかったから。
「部長さんから聞きましたよ?」
「部長って……香川さんから?」
「はい」
ようやく加奈子は気付いた。美由紀が自分と香川の事を言っているのだと。やはり志穂が言った通り、花火大会の時に香川が自分に告白する事を美由紀は事前に知っていたに違いない。しかも“おめでとう”と言うって事は、その結果も香川から聞いた事になる。
「いつ?」
「花火の帰りです。実は私、あの日部長さんが加奈子さんに告白する事を知ってたんです。部長さん、とても喜んでましたよ? 本当におめでとうございます」
美由紀は満面の笑顔でそう言った。あの日の“ワナ”を仕組んだ張本人から、いとも簡単に真相を聞かされ、しかも全く悪びれた様子もなく、加奈子は唖然としてしまった。