「悪いけど、ちょっと仕事の区切りが……」
花火大会の一件以来、加奈子は美由紀を避け気味だった。だから昼食の誘いを断りたかったのだが……
「実は主任にお話したい事があるんです。区切りがつくまで待ちますので……」
と、部下である美由紀から言われてはそれを断る訳にも行かず、
「分かったわ。じゃあ4~5分だけ待って?」
と言って加奈子はパソコンに向かった。加奈子は書き掛けのメールを仕上げながら、美由紀の話とはいったいどんな内容なのだろうと考えた。もちろんそれが何かは分からないが、自分にとってあまり良い話ではないだろうな、と加奈子は予想した。
ちなみに大輔は編集との打ち合わせに行ったまま、まだ席に戻っていなかった。
二人は隣のビルの喫茶店に入り、ランチセットのスパゲティをオーダーした。それをパクパクと勢い良く食べる美由紀とは対照的に、加奈子はあまり食が進まなかった。気になる美由紀の話というのを早く聞いてしまいたかったが、どうやらそれは食後にするつもりらしい。
「ああ、美味しかった」
美由紀が食べ終わったところで、加奈子もフォークを皿に置いた。
「飲み物を頼むわね?」
「はい。でも、主任はまだ終わってないですよね?」
「いいの。何だか食欲がなくて……」
加奈子はウェイトレスに手で合図をし、まだスパゲティが残った食器を下げてもらい、食後の飲み物をオーダーした。
「話って、どんな事?」
ウェイトレスが立ち去るとすぐに、加奈子はそう切り出した。
花火大会の一件以来、加奈子は美由紀を避け気味だった。だから昼食の誘いを断りたかったのだが……
「実は主任にお話したい事があるんです。区切りがつくまで待ちますので……」
と、部下である美由紀から言われてはそれを断る訳にも行かず、
「分かったわ。じゃあ4~5分だけ待って?」
と言って加奈子はパソコンに向かった。加奈子は書き掛けのメールを仕上げながら、美由紀の話とはいったいどんな内容なのだろうと考えた。もちろんそれが何かは分からないが、自分にとってあまり良い話ではないだろうな、と加奈子は予想した。
ちなみに大輔は編集との打ち合わせに行ったまま、まだ席に戻っていなかった。
二人は隣のビルの喫茶店に入り、ランチセットのスパゲティをオーダーした。それをパクパクと勢い良く食べる美由紀とは対照的に、加奈子はあまり食が進まなかった。気になる美由紀の話というのを早く聞いてしまいたかったが、どうやらそれは食後にするつもりらしい。
「ああ、美味しかった」
美由紀が食べ終わったところで、加奈子もフォークを皿に置いた。
「飲み物を頼むわね?」
「はい。でも、主任はまだ終わってないですよね?」
「いいの。何だか食欲がなくて……」
加奈子はウェイトレスに手で合図をし、まだスパゲティが残った食器を下げてもらい、食後の飲み物をオーダーした。
「話って、どんな事?」
ウェイトレスが立ち去るとすぐに、加奈子はそう切り出した。