週が明けると、加奈子は香川と二人きりで話をしたいと思った。もちろん話の内容はいったん受けた香川の申し出を断る事だ。簡単に済ませられるような話ではないので、仕事の後に外で会ってじっくり話したかった。
ところが香川は相変わらず多忙で、月曜は外出したきり直帰。そして火曜からは地方へ出張してしまい、会社に戻るのは3日後の金曜との事で、加奈子にその機会はなかった。出張先の香川から加奈子はメールをもらったが、メールで話せるような事ではないので、香川が出張から戻るまで待つほかない加奈子であった。
その事とは別に、加奈子にはもうひとつ困った事があった。それは、週明けから大輔が人が変わったように無口になってしまった事だ。いつもの覇気がまるでなく、加奈子を含め、殆ど誰とも口を利かず、隣にいても加奈子を向こうともしなかった。
その原因は自分と香川の事だろうか。それで気持ちが沈んでいるのだろうか。
そう考えるのはおこがましいが、かと言って他に思いあたる事は何もない加奈子だった。いずれにしても、香川との事を解消するまでは大輔に話し掛ける事は出来ず、もどかしい思いをする加奈子であった。
「主任、一緒にお昼行きませんか?」
木曜の昼、加奈子は美由紀から昼食に誘われた。加奈子が見上げると、美由紀ははにかんだような笑顔で加奈子を見、気のせいか頬の辺りがほんのり赤く染まって見えた。
ところが香川は相変わらず多忙で、月曜は外出したきり直帰。そして火曜からは地方へ出張してしまい、会社に戻るのは3日後の金曜との事で、加奈子にその機会はなかった。出張先の香川から加奈子はメールをもらったが、メールで話せるような事ではないので、香川が出張から戻るまで待つほかない加奈子であった。
その事とは別に、加奈子にはもうひとつ困った事があった。それは、週明けから大輔が人が変わったように無口になってしまった事だ。いつもの覇気がまるでなく、加奈子を含め、殆ど誰とも口を利かず、隣にいても加奈子を向こうともしなかった。
その原因は自分と香川の事だろうか。それで気持ちが沈んでいるのだろうか。
そう考えるのはおこがましいが、かと言って他に思いあたる事は何もない加奈子だった。いずれにしても、香川との事を解消するまでは大輔に話し掛ける事は出来ず、もどかしい思いをする加奈子であった。
「主任、一緒にお昼行きませんか?」
木曜の昼、加奈子は美由紀から昼食に誘われた。加奈子が見上げると、美由紀ははにかんだような笑顔で加奈子を見、気のせいか頬の辺りがほんのり赤く染まって見えた。