「美由紀ちゃんのワナ?」
「ワナって言ったら言い過ぎかな。その子の策略と言うか計画と言うか……ま、そんなところね。そう聞いてもまだ分からない?」
分かって当然という顔を志穂はしたが、加奈子には全く見当もつかなかった。
「ん……分からない」
と加奈子が素直に言うと、志穂は呆れ顔で「しょうがないなあ」と呟いた。
「加奈子って他の事にはよく頭が回るのに、こと恋愛の事になるとからきしよね?」
「う……」
確かにそうかも、と加奈子は思い、返す言葉がなかった。
「じゃあ言うわね。どこから言えばいいのかなあ……。あ、そうそう、香川さんが加奈子に告白した事をどうして大輔君が知ってたのか、加奈子は不思議だって言ったよね?」
「うん。今でもそう思ってる」
「それはたぶん美由紀って子から聞いたのよ」
「美由紀ちゃんから? だとすると彼女は香川さんから聞いて、それを嶋田君に言った事になるけど、それはないよ? そんな暇はなかったもん」
「確かに花火の後にそんな暇はなかったと思うけど、前だったら?」
「前って?」
「つまり、花火大会の前から美由紀って子は知ってたんじゃない?」
「ワナって言ったら言い過ぎかな。その子の策略と言うか計画と言うか……ま、そんなところね。そう聞いてもまだ分からない?」
分かって当然という顔を志穂はしたが、加奈子には全く見当もつかなかった。
「ん……分からない」
と加奈子が素直に言うと、志穂は呆れ顔で「しょうがないなあ」と呟いた。
「加奈子って他の事にはよく頭が回るのに、こと恋愛の事になるとからきしよね?」
「う……」
確かにそうかも、と加奈子は思い、返す言葉がなかった。
「じゃあ言うわね。どこから言えばいいのかなあ……。あ、そうそう、香川さんが加奈子に告白した事をどうして大輔君が知ってたのか、加奈子は不思議だって言ったよね?」
「うん。今でもそう思ってる」
「それはたぶん美由紀って子から聞いたのよ」
「美由紀ちゃんから? だとすると彼女は香川さんから聞いて、それを嶋田君に言った事になるけど、それはないよ? そんな暇はなかったもん」
「確かに花火の後にそんな暇はなかったと思うけど、前だったら?」
「前って?」
「つまり、花火大会の前から美由紀って子は知ってたんじゃない?」