帰り道、隼人くんがこう言った。
「香連ってさ、夢とかないの?」


いつの間にか"香連ちゃん"から"香連"に呼び方が変わってる!!ちょっと嬉しい!
私も"隼人くん"じゃなくて"隼人"って呼ぼうかな…


じゃなくて!夢…だよね。


「無いかな…、夢とか。」


「そっか。笑われると思うけど俺、実はアイドルになりたいんだ。」

正直ビックリした。そんな大きな夢を持ってたなんて…


「いい夢じゃん!!何でアイドルになりたいと思ったの?」


「俺のねぇちゃんがアイドル大好きでさ。いつもCDとかDVD集めてて。
ある日突然泣いて帰って来たんだよ。『友達とケンカした』って。でもさ、ねぇちゃん、大好きなアイドルの歌とか踊ってる姿見て『元気でた』つって笑顔になったんだよ。
それですげぇなって思った。
俺も誰かの背中を押したり勇気付けられる人になりたいって。
泣いてる人や悩んでる人を笑顔にできる存在になりたいって。思ったんだよな…」

夢について語っている隼人の目は真っ直ぐで決してぶれない強い眼差しだった。