レッスンを終え、家に着いたのは夜の10時ごろになっていた。


突然、隼人の携帯番号から電話が鳴った。


こんな時間にどうしたのだろうと電話に出た。


「もしもし?香連ちゃん?ちょっと話があるの…」


聞こえた声は隼人ではなく、隼人の母だった。
その声は鼻をすする音と同時に震えていた。


疑問に思いながらわたしはこう言った。
「隼人のお母さん?どうしたんですか?」


「隼人がねっ、さっき交通事故に合って…っ、亡くなったの!」

泣きながら必死で話しているのが伝わった。


言葉の意味が理解できない…


死んだ?…………


私は携帯を床に落とした。


無意識に家を飛び出し、病院へ走った。