公爵といっても……


丘の上?



何かつっかかる。


違うのだ、何かが。


何が?といわれたら困るけど違う。間違ってる。




私はその時、偶然にも丘の上に向かう白鳥を見ていた。


そして丘の上の大きめの岩に止まる。


岩………













お屋敷があるはずのところに岩がある。


「イア、どういうこと?丘の上にお屋敷なんか無いわよ?」




背の高い木々に右半分を囲まれた玄関へとつながる道を通りながら、私はイアに話し掛ける。


「俺にはわかんないよ。フロウに聞いて見たらどうかな?」



丘の上が気になってしょうがない私はせかすように聞く。



「ねえねえ、丘の上って何なの?お屋敷なんか無いわよ。」


「あーあれ?暗号だよ。」



フロウはサラっと言ってのけれる。